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河内 昭典; 三森 武男; 宮島 和俊
JAERI-Tech 99-028, 51 Pages, 1999/03
原研再処理特研では湿式再処理試験で発生した未精製ウラン廃液を利用して、TRU核種を含む放射性廃棄物を安定な形態に処理することを目的とした繊維状吸着材によるプルトニウム除去試験を実施した。処理プロセスは繊維状活性炭に無機系バインダーを添加し成型した吸着材カートリッジを充填した吸着塔に一定の空塔速度(SV)で通液することによってプルトニウムを除去するものである。平成8年~9年の2年間で廃液約1.7mの処理を完了し、次の知見を得た。本吸着材は多量のウランを含む廃液においてもプルトニウムに対し高い選択性を示した。またSVや温度の依存性が確認され、SV0.64h及び処理温度20~30Cで処理することにより、95%以上のプルトニウム除去率を示した。以上の結果、繊維状吸着材を用いた処理プロセスが工学規模においても適用可能であることが実証された。
沼田 浩二; 高橋 芳晴; 根本 剛; 都所 昭雄
PNC TN8430 93-001, 37 Pages, 1993/04
プルトニウム第二、第三開発室等のプルトニウム燃料施設から発生する硝酸プルトニウム及びウラニルを含む放射性廃液は、現在プルトニム廃液処理設備において凝集沈殿処理(Fe共沈法)、キレート樹脂吸着法等の併用で処理を行っている。しかし、本処理に伴って発生するスラッジ、廃樹脂等の副生物は、乾固物の形としたのち放射性固体廃棄物として貯蔵しているため、その最終処理には未だ手をつけていない。長期的展望に立てば、このような副性物の発生しない或いは発生しても最小限度に留めるような処理プロセスの開発が望まれており、今回その一環として不溶性タンニンを用いたノンスラッジ廃液処理プロセスの基礎試験に着手した。本試験では、一般に金属イオンに対する吸着性が良く、かつ焼却処理の容易な不溶性タンニンを用いてプルトニウムの吸着率に及ぼす廃液のpH依存性、最大プルトニウム吸着率、不溶性タンニンに対するプルトニウム飽和吸着量等の基礎試験を行った。その結果次のようなことが明らかになった。1)吸着率に及ぼす廃液のpH依存性が少ない。2)廃液中の放射能濃度が640Bq/ml以下の場合、不溶性タンニン100mgに対する吸着率は99%以上である。3)不溶性タンニン100mgあたりの最大吸着線放射能量は、1.85x10/SUP8/Bqであり、プルトニウムに換算すると17.5mgである。このように、本設備のノンスラッジ廃液処理プロセス化を進める上での不溶性タンニンに対する基礎データが得られた。今後、カラム試験を通して具体的なフローシートスタディを行う計画である。